100年ものがたり

第五部 昭和戦後編

69.100年を祝う

昭和63年、「京都ホテル」は創業100周年を迎えました。

それより5年前、昭和58年は創業95周年であり「からすま京都ホテル」が誕生した年でもありますが、いろいろ趣向を凝らして記念のサービスにつとめています。
まず7月にオープンしたレストラン「グランドール」でオープン記念のサービスメニューを用意しました。
つづいて8月には「京都ホテル」夏まつりとして、マジックショーなどを催しました。
また、京都新聞に12の特典がご利用になれる謝恩サービス券のプレゼントを発表したり、「ホームランセール」というサービスを行ったりしました。「ホームランセール」というのは、お客さまのお食事中に、当時のフランスレストラン「ラメール」では阪神の掛布選手が、また鉄板焼きの「ときわ」では巨人の原選手が、それぞれホームランを打ちますと、その時の料理を半額にします、というちょっと珍しいサービスでした。


100周年の記念行事は、前年の昭和62年から始まりました。
まず、創業99周年記念と銘打って、6月1日から12月30日まで、1泊2食付お一人様9,900円という宿泊プランを実施しています。夕食には、当時のレストラン「グレース」か「ビアンカ」で、100周年パックコース料理を召し上がっていただくという趣向でした。

また9月には、中国の高級ホテル「北京民族飯店」と「京都ホテル」とがサービスおよび調理技術などの提携について調印を行いました。
「北京民族飯店」は日本の商社などの長期滞在者が多い、客室650室規模のホテルで、互いに調理人や研修生を派遣して交流を深めようというものでした。

次に12月には、イメージガール「ミス京都ホテル」のコンテストがありました。18歳から25歳までの未婚女性350名の応募があり、本選会には27名が出場してあでやかな着物姿を競いました。

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北京民族飯店との技術提携調印式
(昭和62年9月)

いよいよ昭和63年を迎えまして、まず7月に、菊池寛・生誕100年を記念する「文芸春秋講演会」を、講師に人気作家・渡辺淳一さんと夏樹静子さんのおふたりをお迎えして開催しています。テーマは渡辺さんが「男と女」、夏樹さんは「推理小説舞台裏」というものでした。定員1000名に対し2000名の申し込みがあるという盛況でした。
また、お子様と楽しいひとときを過ごしていただこうという趣向で、第13回京都ホテル夏まつりを行ったり、1階フロアを鹿鳴館に見立てて写真パネルの展示をし、「京都ホテル」の伝統と歴史を紹介したりするなど、さまざまな記念サービス行事が行われました。



京都ホテル100年物語はひとまず、ここで終わりにします。
資料調査をすすめるにつれ、京都ホテルの100年史が、そっくり京都のそして近代日本のホテル史をひもとくことであることを再検証することができました。

また創業期より、多くの先達がお客さまとの豊かな出会いの中で、常に明日のホテルサービスを見つめ続けてきたように、私たちも先達の流した汗と重ねた苦労を誇りとし糧として、一層の努力を続けてまいりたいと決意を新たにしております。

<完>

 


『京都ホテル100年ものがたり』は、株式会社京都ホテルの創業100周年記念行事の1つとして、1988年9月刊行されました。
その当時、資料の乏しい明治・大正時代、そして昭和前期の解明に重点を置き、社会の流れの中で京都ホテルが果たし得た役割を中心に、お客さまに興味深くそして京都ホテルを身近に思っていただける読み物にしたいという思いから編纂をしたようです。

1998年、京都ホテルは創業110周年を迎えました。
「110年」……この短い言葉の背後には、海の深さほども山の高さほどものお客さまとの出会いがひそんでいます。
京都ホテルを愛し励まし続けてくださっている多くの方々に、深い感謝をささげるとともに厚くお礼申し上げます。


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